2016年12月9日金曜日

風が吹いているけど…

ジョウビタキ♀
日本の冬を過ごす間,自分の食べ物を維持するための
なわばりをオスもメスも1羽ずつもつ。
春が来れば結婚するかもしれないもの同士でも,冬は互いに容赦しない。
自動車のサイドミラーに映ったわが身ですら激しくライバル視する。
秋冬は木の実をよく食べる。
ツリバナやニシキギなど,赤いだけでほとんど種しかないような実にも来ているが,
見ていると何かをポトリと吐き出している。
小さな鳥の場合,消化されない大きめの種子はその場で吐き出すことが多い。
だから,離れた場所で糞と一緒に種をまいてもらおうという
植物のおもわく通りにはなかなかならないようだ。
また,実際には,杭の上などから地上を見張っていて,
昆虫などをみつけては舞い降りて捕まえるという行動のほうが多い。

(『鳥のおもしろ私生活』)
  西吹けば東にたまる落葉かな

 西から風が吹けば東に落葉がたまるのは当たり前で,
理屈で考えると馬鹿馬鹿しいような俳句であるが,
その当たり前のことに言外の意味が含まれ,
如何(いか)にも力なく風に吹かれて,
鉋屑(かんなくず)などのように転(ころが)ってる侘しい落葉を表象させる。
庭の隅(すみ)などで見た実景だろう。
(『郷愁の詩人 与謝蕪村』)
(今まで,本の記事にリンクしていたのですが,
今日は,岩波書店の新しいHPに戻るようです)
もみぢばゝちりはするともたにかはにかげだにのこせあきのかたに    良寛

○かたに―「かたみに」の「み」脱か。
▽紅葉は散るなら散っても、せめて谷川にその影でも残しておいてもらいたい。
秋をしのぶ形見として。
(『近世和歌集 日本古典文学大系93』
    高木市之助・久松潜一校注/岩波書店 昭和41年)
 午前中,母の診察に付き添ったので午後からやってきました。
空を見るとまるで夏の雲(積雲)のよう…
風が吹いていたけどなまぬるい風…
(「雷注意報」が出ていて,帰宅してしばらくするとドシャ降りになり雷鳴も聞こえました)
キリのつぼみ
ハラビロカマキリの卵鞘
こちらはカタツムリですが,冬眠しているのかな?
冬眠ならこんな吹きさらしではなく温かい所でするのだけど…
カタツムリは,冬はどうしてすごすの
行動食はバナナ(^^ )
発病前もそうでしたが,おなかいっぱい食べると歩くのが億劫になる。
入院中,主治医の先生に「二重負荷を避けるように」とアドバイスを受けています。
Kazeの場合,心臓の機能が低下しているので
食べた後,すぐに歩くと消化のための血液が胃に充分にまわらなくなります。
後ろにいるσ(^_^;を見ているのかな?
ジョウビタキ♂
翡翠(かはせみ)の飛ばぬゆゑ吾もあゆまざる   竹下しづの女
(『日本の詩歌30』)
反応できませんでした(^0^;)
押合うて熟柿を落す目白哉  凍郊
(『俳諧歳時記(秋の部)』横關愛造編 改造社 昭和29年)
淺ましや熟柿(じゆくし)をしやぶる體(てい)たらく   一茶

べろべろの熟柿をべちゃべちゃとしゃぶる歯のない口を連想させて,実際あさましい気がする。
まだ54歳の吟であるが,一茶は非常に歯の性がわるかった。
(『蕪村集 一茶集 日本古典文学大系58』
   暉峻康隆 川島つゆ校注者/岩波書店 1959年)
カワラバト(ドバト)に出会いましたが,脚の様子がおかしいし,尾羽もありませんでした。
それでも懸命に生きています!

鳥の尾の役割は
鳥が飛翔する時,体の平行を保つのに役立っています。
上昇したり,降下したり,方向転換したりする時の補助翼として,
飛行機の尾翼以上に細かい働き方をしています。
ある時は方向舵であり,ある時はブレーキとなります。
ある種の鳥では尾をディスプレー(表現)に使用します。

(『鳥についての300の質問』A&H・クリュックシァンク著
    青柳昌宏訳 講談社ブルバックス 昭和57年)
冬枯(ふゆが)れや雀のありく戸樋(とひ)の中  炭太祗(たんたいぎ)

すっかり冬枯れの野となって,ものさびしいほどに静かな昼,
ふと気がつくと,雨樋(あまどい)の中で,何かかさこそと動いている様子である。
どうやらそれは,雀の歩く音であるらしい。
作者は家の中から冬枯れの野を見渡していたのであろう。
頭の上でかすかに音がし,雀の鳴き声なども聞こえたのである。
冬の静かな昼間の感じがよく出ている。
季語は「冬枯」。
(『近世俳句俳文集 日本古典文学全集42』
     栗山理一他校注・訳 小学館 昭和47年)