2016年3月3日木曜日

桃の節句は,暖かな朝(*^-^*)

今日は桃の節句だからというわけではないですが
最初に出会ったのは女の子(*^▽^*)
モズ
    梅

ひとつの気持をもっていて
暖かくなったので
梅の花がさいた
その気持がそのままよい香いにもなるのだろう

(『八木重吉全詩集2』ちくま文庫 1988年)
 ヒヨドリ〔鵯〕スズメ目・ヒヨドリ科
ヒヨドリという名前は〝稗鳥(ヒエドリ)〟から変わったものといわれ,
ヒエを食う鳥という意味というが,実際には,
あまりヒエのようなものは食べないようである。
むしろ秋から冬にかけては,ムクの実やセンダンの実を食べ,
ナンテンやマンリョウなどの赤い実を食べる。
また,細長い嘴で,ツバキなどの蜜を吸うこともある。

もともとヒヨドリのなかまは,熱帯地方にすむものが多いのだが,
日本のヒヨドリは,その中でも,かけはなれて北の方にすんでおり,
しかも,日本にだけしかすんでいなという珍しい鳥でもある。
木の枝の止まった姿勢は,直立不動といったように胸を張っていることが多く,
飛ぶ時は,深い波状形を描きながら飛び去る。
山地帯の広葉樹の林で繁殖し,
冬になると平野部の林などに飛来したり,
大群で南のほうに移動し越冬する性質のものであったが,
最近はそうした習慣に異変が生じている。

東京では,本来平地での繁殖は見られず,
冬鳥として平野部,都心の林などに飛来していたものだが,
1970年頃から少数が夏でも見られるようになり,次第に数を増し,
今では,一年中ヒヨドリの嬌声を耳にすることができるようになった。
そして,次第に繁殖地も拡大し,
今では,都内全域に繁殖例があるほどになった。
なぜこうした異変が起ったのかはわからないが,
都市部に逆に入りこんできた鳥として代表的なものであろう。

(『都市のバードウォッチング・バイブル
      千羽晋示・柳沢紀夫著 朝日出版 1981年)
アオジ
「あかりをつけましょぼんぼりに…」♪
と歌ってはくれませんでしたが(*^ー゜)
恋をせば さて年寄らざる先に召さりよ,誰(たれ)か再び花咲かん,
 恋は若い時のものぢやの,若い時のものよ

恋をするならば,まあ年をとる前になさい。
いったい誰が,二度花を咲かせることがあるでしょうか。
恋というものは,やはり若い時にするものですよ。
(『戦国時代の流行歌 ~高三隆達の世界』小野恭靖 中公新書 2012年)
旧暦の三月三日は4月9日になるそうなで
まだ桃の花は咲いていません(^。^)
マガモを観察していると,茶色い地味なカモが,
ときどきいっしょに並んで泳いでいることに気がつきます。
実は,茶色のカモはマガモの雌なのです。
きれいな雄とは,まったく色が異なっています。
鳥類の世界では,雌より雄が色彩が豊かできれいなものが多いようです。
マガモも例にもれず,雄のほうがきれいなのです。
雌が地味なのは,卵を抱いたり(抱卵(ほうらん)),
ひなの世話をする(育雛(いくすう))とき,目立たないので安全だからでしょう。
雄がきれいなのは,つがいをつくるとき,
より美しくなって雌の目を引きつけるためではないでしょうか。
マガモの雄は抱卵や育雛をいっさいしません。 

(『自然観察12ヵ月』海野和男編著 岩波ジュニア新書 1983年)
鳥はどうして前にひっくりかえらずに着陸できるのか?
着陸前に鳥は滑空に移りスピードを落とします。
尾羽を開き,下にさげてブレーキをかけ,体を直立姿勢に変えていきます。
そして,数回のすばやい前向きのはばたきをします。
翼は体のバランスがととのう前にいっぱいにひろげます。
着地の瞬間には長い脚と,弾力性ある脚の筋肉が衝撃を吸収します。
タカやモズのような鳥では,
高いとまり場所にとまる直前に余分な滑空上昇を利用してとまります。
多くの水鳥たちは優美な長い滑空ののち,
特別な減速の努力なしに,単純に着水できます。
どんな場合でも鳥が着陸のときつんのめるなどということはないのです。

(『鳥についての300の質問』A&H・クリュックシァンク著
      青柳昌宏訳 講談社ブルバックス 昭和57年)
『身近な鳥の生活図鑑』より「攻撃は最後通牒の後で」

ハシブトガラスによる人への攻撃ですが,攻撃された方は,
いきなりカラスが襲ってきたと思うかもしれません。
しかしカラスからすれば,最終手段に訴えているだけです。
多くの場合,事前の通告があります。
まず,巣に近づいた相手に対してブトは,澄んだ声で「カァカァ」と鳴きます。
これで,こちらがいなくなればそれで何事もなく終ります。
しかし,気づかずに,その場にとどまっていると,
今度は「カァカァカァカァッ」と連続的に鳴いたり,
怒気がまざったような「ガラララ」と強い語調になります。

さらには,それでも,相手(つまり我々)が,巣から離れない場合は,
近くの枝に止まって足元の枝をコツコツ叩いたり,
場合によっては近くにある枝を引きちぎったりして,

イライラしている様子を見せます。
コツコツ叩くのは,「つっつくぞ,つっつくぞ」という意思表示かもしれません。
枝を引きちぎるのも,同じように「引きちぎるぞ」と警告しているのだと思います。
ブトなりに,警告をしているわけです。
しかし,烏に興味がない人は,この一連の行動にまったく気づきません。
そして,とうとうブトとして,最後通牒をしたのに退かない相手に対して,

実力行使に出るわけです。
背後から人の頭を足で「こづく」ことをします。
飛びながらくちばしで襲うことはまずないと思います。
肩に乗るとくちばしでも攻撃してきます。
ブトにとっても人を襲うのは,相当の勇気がいるでしょうから,
こちらが事前に気づいてあげれば,どちらにとっても幸せです。

 しかし,中には,最後通牒なく襲ってくるブトもいます。
というのも当のブトからすれば,人が何人も通っていて,
「さっきから何度も最後通牒は出したのに!」ということなのでしょう。
そういうブトに対しては,まずは自衛です。
たとえば,歩道の逆側を歩くだけで,

彼らの防衛圏内からはずれて攻撃しなくなる場合があります。
それがわかるようになるのも,なかなか楽しいものです。
後頭部から襲ってくるので,閉じた傘の先端を,
肩ごしに後方に向けておくだけでも効果があります。
 
(『身近な鳥の生活図鑑』三上修 ちくま新書 2015年
    空襲昼夜を分たず
ものゝ芽に刻々の日のあはれかな

昭和20年作。
早春,2月頃であろうか。
前年の11月には東京にもB29の襲来があった。
(『石橋秀野の100句を読む』山本安見子著 飯塚書店 2010年)
メジロが桜に悪い虫はいないかとパトロール中ですp(^-^)q




この子は蜜の味見(*^▽^*)

庵(いほり)の前なりける梅を見てよみける
梅が香を 谷ふところに 吹きためて 入り来ん人に 染(し)めよ春風

春風よ,お前の運んで来る梅の香を,
自分の庵のある谷ふところに吹きためて,
訪れて来る人の衣にしみこませてくれ。
(『山家集』西行、後藤重郎校注 新潮社 1982年)
  森

森はひとつのしづけさをもつ
いちどそのしづけさにうたれたものは
よく森のちかくをさまようてゐる

(『八木重吉全詩集2』ちくま文庫 1988年)
まだ散っていない葉がある…
巻第十(春の雑歌) 1847
浅緑(あさみどり)染め掛(か)けたりと見るまでに春の柳は萌えにけるかも

浅緑色に染めた糸を枝に掛けたかと見えるほどに,春の柳の芽が出たことだなあ。
(『万葉集(三)』佐竹昭広他校注 岩波文庫 2014年 )