2016年3月15日火曜日

ひたすら忍耐の季節ですが,鳥たちは…

ハシボソガラスもハシブトガラスも,春になると子育てを始めます。
公園の樹木あるいは街路樹のうち10~20メートルくらいの高さのある樹木の,
中ほどより高いところに巣をつくります。
巣は,木の枝で編んでつくられています。
町の中のカラスは枝の代わりにハンガーなどの人工物も用います。
それだけでは硬いので,内側には,ふんわり素材が使われています。
藁のような植物質,どこから拾ってくるのか,ビニールテープや綿も使います。
  ボソとブトの子育てで,大きく違うところは,子育てを始める時期です。
ボソのほうが,ひと月ほど早く卵を温め始めます。
時期は,サクラが咲くひと月ほど前です。
このころ,特に東日本では常緑広葉樹が少ないので,
営巣する木には葉っぱがなく,巣が丸見えことがしばしばです。

(略)
 対してブトは,ちょうどサクラの咲くころに卵を産み始めます。
ブトは巣が見えるのが嫌いらしく,常緑樹か,
あるいは葉が開いた後の落葉樹に巣をつくるようです。
それゆえ,子育て中の巣は,外からあまり見えません。
もちろん,葉が落ちれば,見えるようになりますが。
 この2種の巣の隠蔽性の違いは,
子育て中の気性の荒さにも大きな違いをもたらしているようです。

(『身近な鳥の生活図鑑』三上修 ちくま新書 2015年)

以前書きましたが,気性の荒さの違いはなんだと思いますか(*^ー゜)
開放的な性格と閉鎖的な性格との違い(・・?

いつも見たいのは,君と盃と春の初花(小歌)

  いつも傍で見ていたいものは,あなたと,盃と,春に最初に咲く桜花ですよ。
(『戦国時代の流行歌 ~高三隆達の世界』小野恭靖 中公新書 2012年)

シジュウカラ♂が朝ご飯を探していますp(^-^)q
モズ♀がいましたが,散歩中ではありません(*^-^*)
モズ♂も近くにいたのでそろそろ子育ての季節になったようです。
 〝モズの高鳴き七十五日〟の諺のように,
初秋に梢高く〝キチキチキチ……〟と

けたたましく鳴くモズの鳴き声を耳にする。
 モズが高鳴きを始めて,七十五日目に
初霜がおりるからという寒さに対する警鐘でもあるが,
実は,秋から冬にかけては,獲物も少なくなり,
なかまが近くにいては獲物の分け前が少なくなるため,
一生懸命〝なわばり〟を宣言しているわけである。

 というのは,モズが小型の鳥であるにもかかわらず
猛禽であることによるもので,
大型の昆虫やトカゲ,カエル,時としてネズミやモグラ,
小鳥まで襲うということになると,
何としてでも広い自分の占有地が必要となるのであろう。
 このモズの餌の捕え方は,

くちばしで餌をとるふつうの小型の鳥とちがい,
ワシやタカのなかまのように,鋭い爪のある足で押えつけるという,
いかにも小型の猛禽類といった風格をそなえている。

(『都市のバードウォッチング・バイブル』千羽晋示・柳沢紀夫著 朝日出版 1981年)

風が冷たい朝ですが…
 ジョウビタキ♂が眩しそうな目をしていました(*^-^*)
モズの鳴きまね」(小学6年)
カワラヒワがポツンと一羽…青空を眺めていました。
今朝は,晴れて風が強い…
こんな日はマスクをしても…
アンズの蜜が甘いのだろうな(*^▽^*)
メジロ〔目白・繡眼児〕スズメ目・メジロ科
 からだ全体が緑の明るい色でつつまれ,
目のまわりに白いリングがあるので,この名が付いた。
 姿がかわいらしいばかりでなく,その動作もなんとなく愛らしさがあり,
人なつこく感ずる鳥である。

よく〝めじろ押し〟という言葉を使うが,
それは一本の枝にたくさんのメジロが

すき間もないほどぎっしりと隣り合ってならび,
その中の一羽が押し出されるように飛び去ると,
すぐ両方から押し合いすき間を埋めるという,
ちょうど子供の押し競べに似たことをたとえたものである。

 ふつうは,チィーチィーといった地鳴きを聞くことが多いが,
さえずりは〝チュッチュッ,チィーチィーチィー〟などと

複雑な節まわしの美声で,
よく〝長兵衛,忠兵衛,長忠兵衛〟という

聞き做しで知られている。
 また,一羽が鳴き始めると相次いでなかまが

競い合うように鳴きだすこともある。
平地から山地まで常緑広葉樹の林を好んですみ場所としており,
昆虫類を捕らえて餌とするほか,ツバキ,ウメなど花の蜜も吸い,
カキの熟れたものなど木の実も大好物である。

晩秋から初冬にかけては,都心部の住宅地でも,
庭に残されたカキの実をついばみにやってくるメジロの小群を見るが,
意外と気づかない人が多い。

(『都市のバードウォッチング・バイブル』千羽晋示・柳沢紀夫著 朝日出版 1981年)
ハクセキレイはここ数十年で大躍進を続け,都市の中に進出してきた鳥です。
餌を採る場所,色,行動など,とかく目につきやすいので,
たくさんいるような印象を受けますが,実際は,スズメよりも密度が低い鳥です。
十分な調査結果ではないので大まかな目安に過ぎませんが,
スズメの10分の1くらいの密度だと思われます。
ハクセキレイが,このまま町の中に定着するのか,
あるいは,どこかで退きはじめるのか,今後とも注目したいものです。

(『身近な鳥の生活図鑑』三上修 ちくま新書 2015年)
なんか緊張が走っているような…
この野良猫ちゃんと…
かなり接近している…
野良猫ちゃんの反応に…

山階鳥類研究所の山岸哲所長と国立科学博物館の西海功さんが調べたモズでは,
24組の夫婦と子供たち99羽を調べたところ,
10羽(10%)のヒナは,育てていた雄の子供ではなかったそうです。
すなわち異父兄弟なのです。
これは雌が雄の知らぬ間に別の雄と交尾していたことの証拠で,
このようなつがい以外の相手と交尾することを研究者は

「つがい外交尾」と呼んでいます。
(『ポケット図解 鳥の雑学がよ~くわかる本』柴田佳秀 秀和システム 2006年)
葉を注意深く観察してください。
葉脈が,網目状になっているのがわかりますか。
なかでも,真ん中とその基部から両側に分かれている3本の葉脈が目立ちます。
「三行脈」です。
クスノキの仲間の多くは,この三行脈が特徴です。
三行脈の分かれる付け根部分には,
「ダニ室」と呼ばれる小さな空間があり,
フシダニなどが棲んでいることが知られています。
「虫えい(虫こぶ,ゴール)」といって,
虫が寄生するとこのようなこぶができることがありますが,
このダニ室はダニがつかなくても,
クスノキが自分で作り出す,不思議な器官です。
クスノキと同じようにヤブニッケやシロダモ,イヌガシも
三行脈をもつ常緑のクスノキ科の植物で,日本の山野に自生しています。
一見,よく似ていますが,葉の裏が粉をふるったように白ければ(粉白色)シロダモ,
白味を帯びている(帯白色)ならヤブニッケと,
図鑑を調べながらウォッチングすれば,案外簡単に見分けることができます。

(『樹木ウォッチング』森本幸裕 日本放送出版協会2002年)