2015年11月27日金曜日

北風が…

朝景色

あんなに沢山ふつてゐた雨が
からりとはれて
しづかなそしてきよらかなこの朝景色,
歯をみがきながら
大根畑のなかを歩いてゐると
自分が貧乏なことも
からだが弱いことも
すつかり忘れてしまうてゐた,
それだからああ
こんなきれいな朝がこの世にはあるから
ぼくはまだ生きてゐたいのだつた。
 (昭和2年)
(『木山捷平全詩集』講談社文芸文庫 1996年)
 あらしがすつかり青空にしてしまつた
(『尾崎放哉 句集』春陽堂 平成14年)
今朝は10度を切っていました…
こんな寒い時に蝶がいると
写そうとカメラを構えた時に飛んで行った(T_T)
ヒメアカタテハ
モミジバフウですが

すずかけは落葉してあり吹くとしもなき秋風のあさの路傍に
(『若山牧水歌集』若山喜志子選者 岩波文庫 1936年)
北風が冷たい…
みんな葉を落とし小さな銀杏である
(『尾崎放哉全句集』伊藤完吾・小玉石水編 春秋社 1993年)
引きとめられていました(^v^)
気にしたる左の膝の痛みなど
いつか癒(なほ)りて
秋の風吹く

(『日本の詩歌5 石川啄木』中公文庫 1974年)
ひひらぎや知らぬ振りして聴く話
(『しづ子 娼婦と呼ばれた俳人を追って』 川村蘭太 新潮社 2011年)
こぼれたる山茶花きよき月の径(みち)父となりたる深夜あゆみぬ
(『豆腐屋の四季 ある青春の記録』松下竜一 講談社学芸文庫 2009年)
ムカシハナバチの仲間かな(・・?
秋風の,水音の,石をみがく
(『山頭火句集』村上護 編 ちくま文庫 1996年)
(ひよどり)の声ばかり也箱根山
(『子規句集』高浜虚子選 岩波文庫 1941年)

アオジ
アオジ
秋雲は湧けり黒髪丈なせる  三橋鷹女
(『現代日本文學全集91 現代俳句集』筑摩書房 昭和32年)